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2008.11/7開始。BLと猫とドールをこよなく愛しています。
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芯が一本、すーっと通った作品は好きです。

主人公の気持ちが揺れてるのはいいんですが、ころころ気持ちが変わるというのは読んでて、不安になる。

この間、やさぐれた反動で買った文庫は、最近読んだ新刊の中で一番よかったかも。(って、新刊はなかなか読めないんですが・・・)

ガッシュ文庫から1月28日に発売された鳩村衣杏さんの【半化粧の恋】です。


大正十二年、初夏。待ち続けた男が戻ってくる。侠客・佐賀屋の博徒、日垣景の思いは複雑だった。美貌ながら、半身を紅い火傷の痕に覆われた彼の通り名は「半化粧の景」。景の、美しく白かった肌と運命とを変えたのは、奉公していた堂島邸の火事だった。その堂島家の長男であり放火犯として服役していた充洋の出所。秘かに慕い続けていたかつての主は、景の弟分として任侠の道に入ることを望んだ。主従の反転が、景の想いを蝕む。紅く爛れた半身が、今また恋に灼かれていく—。


ロマンスです。

充洋の家の奉公人に15歳でなった景は初め魚屋で働いていました。それを男色家の充洋の父が見初めて、自分の家に連れてきたのですが、そんなことは景は全く知りません。

ただ、高いお給金で自分を雇ってくれる旦那さまに感謝して毎日を過ごしていました。

そこの家には少し浮世離れしているけれどやさしい奥様と三歳上の坊ちゃまがいらして・・・。

とてもやさしいだけじゃなく、字まで教えてくれる坊ちゃまを景はとても大切に思っていて、いつか結婚されたら、そのおうちで生涯、使えさせてもらいたいと夢に見ていました。

その夢は旦那さまに体を自由にされるようになってからも景を支え続けていたのだけれど・・・。

どこまで書いていいのかな・・・。

景みたいな子は大好きです。

景は十年ぶりに充洋と再会するのですが、それは元の彼がいるべき世界に充洋を返すためで・・・。

でも、充洋はヤクザになった景のそばを離れないといい、自分もヤクザになる道を選びます。

景はそんな充洋を非道とも取れる言葉で突き放すんですが・・・。

景がどんなに充洋を思っているか、充洋がどれだけ景を愛しているか、この文庫1冊の中にギューって詰まっていました。

お互い、ただ一人の人のためだけに生きていた・・・というのがひしひしと伝わってきて、じんわり涙も出て来ました。

景(受け)が男気があって、本当にカッコイイです。

人間は年月がどう変わろうと本質の部分ではかわらないんだなという気がしました。

ヤクザものはどこかピリッとしてて、何気に好きだったりします。

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